『嘘をもうひとつだけ/東野圭吾』
今回は、東野圭吾著「嘘をもうひとつだけ」です。
早速、簡単に紹介していきます。
1.作品情報
著 名:嘘をもうひとつだけ
著 者:東野圭吾
出版社:講談社文庫
発売日:2003/2/15 ※文庫本の初版発行日
頁 数:269ページ
こちらは、東野圭吾さんによる短編推理小説集で、加賀恭一郎シリーズの第6作目にあたります。
加賀恭一郎シリーズ初の短編集で、すべて「嘘」に関連するお話となっています。
2.あらすじ
バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。事件は自殺で処理の方向に向かっている。だが、同じマンションに住む元プリマ・バレリーナのもとに一人の刑事がやってきた。彼女には殺人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。ところが……。人間の悲哀を描く新しい形のミステリー。
「嘘をもうひとつだけ」裏表紙より引用
「嘘」に関連するお話が5篇収録されています。
各話にどのような「嘘」が隠されているのかが、加賀はどのように「嘘」を暴いていくのかが、見どころです。
犯人捜しというよりは、人はなぜ罪を犯すのかに焦点が当てられた作品です。ぜひ読んでみてください。
3.こんな人におすすめ
- ミステリーが好き
- 東野圭吾さんが好き
4.感想
ここからは、私の正直な感想を綴ります。
個人の感想なので、共感していただけないこともあるかと思いますが、ご容赦ください。
また、ネタバレや、ネタバレと感じられる内容が含まれていますので、ご注意ください。
加賀恭一郎シリーズはバレエ団を舞台にしたお話が多いですが、東野圭吾さんってバレエが好きなんですかね??
軽く調べた限りでは関連する情報を見つけられず、もしご存じの方がいらっしゃったら是非教えてください・・・。
本作はさまざまな「嘘」が出てきますが、誰かをかばうための「嘘」は哀しいですね。
特に「第二の希望」は子どもをかばうための「嘘」ですが、自分の子どもが罪を犯したら、同じような「嘘」をつく方も多いのではないでしょうか。
全く想像したくないですが、同じような状況に置かれたら、自分はどうするのだろうかと考えてしまいました。
あと当たり前ですが、「嘘」はつかない方がいいですね。
「嘘」をつくと、辻褄をあわせるために別の「嘘」をつくことになり、さらに辻褄をあわせるために・・・と負のスパイラルに陥っていくのだなと、改めて認識できました。
それにしても、加賀恭一郎は嫌な詰め方をしてきますよね。
まるで自分が詰められているような気になってしまいました。
本記事の執筆時点で、加賀恭一郎シリーズはまだ未読のものがたくさんありますので、次も楽しみです。
以上、『嘘をもうひとつだけ/東野圭吾』の紹介と感想でした。